今年の大河ドラマは「光の君へ」紫式部が主役です。平安貴族の優雅さ、豪華さは少なからず女性にとってあこがれだろうと思います。ひな人形を見ても世界に誇れる美しい文化であったことが分かります。しかし実際は、貴族たちは官位の昇進や歌のやり取りばかりに心が奪われ、やがて自分たちの荘園のガードマンであった武士階級に政治力を奪われてしまうことになったのです。鎌倉幕府の成立がこれです。彼らの規範は一所懸命、滅私奉公、質素倹約、質実剛健でした。「武士道」の始まりです。

鎌倉時代に蒙古襲来という大事件がありましたね。チンギスハーンが起こした蒙古帝国は騎馬軍団を戦力として、モンゴル、朝鮮、から東ヨーロッパまでいたる大帝国を築き上げたことはあまりにも有名です。それくらい蒙古軍の移動力、武器能力、勇敢さは際立っていました。当然、極東の小国日本へもその野望は向けられました。14万人ともいわれる大船団が博多湾に二度にわたって襲来したのです。そこで奇跡が起こりました。二度とも「神風＝台風」が吹き荒れ、大船団は壊滅し撤退したのでした。台風のおかげも大きかったのですが、じつは敵軍の上陸を許さなかった鎌倉武士軍団の勇猛果敢な働きも、それ以上に大きかったのです。もし平安貴族の時代であったら、あっという間に占領されていたはずで、武士の力で日本の独立が守られたのです。

時代は安土桃山時代に飛びます。宣教師ザビエルがやってきてスペインとの交易を進めようとしていました。しかし彼らはただ単に交易だけではなく、キリスト教を広め西欧化し、相手が弱いと見るや武力で植民地化することも視野に入れていました。この手法でヨーロッパ諸国はアジア・アフリカ諸国を植民地化していったのです。その隠された目的を見破ったのが徳川幕府です。

キリスト教の布教を禁止し、鎖国を決めたのですが、そんなことで百戦錬磨のキリスト教国が引き下がるはずがありません。しかしそれを強大な軍事力でやってのけたのです。実は戦国時代を経験した日本は、世界一精密な火縄銃を世界最大数保有していたことは知られていません。こんな国とは戦えないと悟り、ヨーロッパ諸国はやむなく日本から撤退したのでした。

さらに２００年後の話になります。西欧諸国ではその後も機械文明が進み鋼鉄船や大砲などの近代兵器が大量に生産されるようになりました。鎖国により泰平の世を謳歌していた日本とは武力の差は明らかでした。武力を背景に日本に開国を迫ってきたのがアメリカ、イギリスです。薩摩や長州は「大和魂」で追い払おうと一旦は戦争を仕掛けるも、圧倒的武力差でねじ伏せられ、世界を知ることとなりました。このままでは国が滅ぶとばかり、天皇中心の中央集権体制を構築し、西洋技術を取り入れ、世界に並ぶ国力をつけようと試みました。これが明治維新です。その後わずか４０年で一等国の仲間入りを果たしたのですから、悲願はみごと達成したといっても良いでしょう。その後がいけません。自信過剰になった軍部は太平洋戦争という大暴挙を起こしてしまい、日本を滅亡に導いてしまったのです。そして悔しいことに進駐軍によって考案された「日本国憲法」を受け入れざるを得なくなったのです。問題なのは第９条です。「陸海空の武力を持たない、交戦権を放棄する。」というのですから、国を侵されても黙って見ていろというのでしょうか。誰かに助けてもらえというのでしょうか。日本以外の国は日本国憲法９条を守る義務はないという当たり前のことも忘れてはなりません。自分の国を守る気概さえ持てない国が存続できるほど世界は甘くはありません。あの永世中立国スイスでさえ国民皆兵制があり、男たちは定期的に軍事訓練を受けることが義務付けられているのです。お隣の韓国も然りです。

私は戦えといっているのではありません。無法な外国が侵入するようなことがあれば断固として排除する気概を持てと言いたいのです。そうなれば、外国勢力もよこしまな野望を持つことがなくなるでしょう。これが現代における世界平和（＝力の均衡）の実体です。

いまや世界中から多くの外国人がやってきます。日本の文化、自然を絶賛しますが、彼らが心底尊敬するのは日本人の民度の高さなのです。その底流には「武士道」があります。国際情勢が不安定な今こそ、もう一度「武士道」を思い出したいのです。今の若者は力づくの喧嘩をしたことがない人たちばかりで、優しくかっこよいことばかりが望まれます。まるで平安貴族のようです。もし邪な野心を持った外国が攻めて来たらひとたまりもないでしょう。・・・神風特攻隊をご存じでしょうか。彼らがどんな思いで逝ったことか・・・。国を思い、家族を思い・・・。彼らが「武士道」です。同じ日本人です。

[お知らせしたいこと]
「次のパンデミックに備えてＷＨＯ（一団体）が各国の主権を制限（内政干渉）出来る」法案が５月に上程されそうです。これに反対する大規模集会が4／13池袋で行われました。２､３万人の規模だったにもかかわらず、報道したのは時事通信だけです。このように重要な出来事を報道しようとしない大手マスコミ、ＮＨ〇・・○○新聞・・○○放送・・・。偏っていないでしょうか？