第6波は来るのでしょうか?いつ?インフルは?

寺岡内科医院 寺岡院長202111世の中が明るくなりました。9月末での第5波の終息による緊急事態宣言の解除があり、お酒も飲んでよいということで、街に活気が戻って来ました。若い人たち中心に笑顔があふれています。大阪はこうでなくてはなりません。少し前までは「ワクチンを回せ!」と血眼になっていたことがウソのように思えます。

とにかく日本ではデルタ株による第5波は終息しました。なぜ急速に感染者が減少したのかは誰にも分らず、世界からも注目されているようです。一般には「ワクチンのおかげで第5波が収まった。」と考えられているようですが、少し考えてみましょう。 

イスラエル、シンガポール、イギリスなどでは世界に先駆けてワクチンが始まり、6月には70%位の接種率を達成していました。にもかかわらず7月からの第5波で最大の感染者数を記録したのです。ワクチンは感染拡大を防げなかったというべきでしょう。また最近の減少局面では、ワクチン未接種が多い20代、30代の若者も早くから減少していて、ワクチンによって減ったわけでもなさそうです。

ワクチン推進役のアメリカ疾病対策センター(CDC)は、「ワクチンで抗体が出来た人も未接種で抗体が無い人も、感染力は同じなのでマスクは続けて欲しい。」というのですから、ワクチンをすれば人に移さないというわけでもなさそうです。ただ、どこの国でも第5波では、それまでの重症率、死亡率は1/4くらいに減っていて、日本でも優先的にワクチンを受けた高齢者の死亡が減っています。
「感染拡大を防げなかったが重症化を防げた。」とは一体どういうことなのでしょうか。

誰もが考えるのは「ウィルスの勢いが弱った」ということでしょう。コロナウィルスは2週間に1回変異しているそうですから、彼らの中の成功者であるデルタ株も盛者必衰のことわりで、いつまでも同じ王座に留まれないのかも知れません。

もう一つ考えられるのは、人間の方が免疫を獲得したかも知れないということです。デルタ株PCR陽性の80%以上の人が軽症か無症状だったという事実、第4波の終息の6月中旬からたった2週間で一気にデルタ株に置き換って第5波となっていった伝播力の速さなどを考えると、第5波の前からデルタ株は静かに全国に浸透していて、感染爆発には間に合わなかったけれど、ある程度出来ていた免疫によって迅速に対応出来たのではないか?という推測が成り立ちます。これには昨年のインフルエンザがまったく流行しなかったこと『第6波は来るのでしょうか?いつ?インフルは?』が思い出されます。

2つのウィルスは同時に流行しない「ウィルス干渉」という原則があります。コロナの浸透スピードが速すぎて後発のインフルエンザが負けたというわけです。今回のワクチンも先行ウィルスのような振る舞いでデルタ株の抑制に一役買ったのかもしれません。

そう考えると11月に心配される「第6波」は重症化しにくいことになります。すでに基礎的な免疫力があるので重化症率、死亡率は低くなるのではないでしょうか。そのときに気をつけたいのは「PCR、PCR!」と大騒ぎしないことです。PCR陽性でも無症状の人をさんざん見て来ました。
PCR陽性だけでは病気ではありません。重症者数だけに焦点をしぼって対応すればよいことです。
そして今後は小さな波を繰り返すうちに、PCR陽性でもほとんど重症化しない「ただの風邪」に落ち着いてゆくのがコロナウィルス感染症の将来像ではないかと思っています。

そこでインフルエンザワクチンのことですが、いま一部地域では取り合いになっているそうです。

ワクチン接種というのは軽い感染症を人工的に作るということですから、先行のインフルエンザウィルスによる「ウィルス干渉」を期待して、第6波が心配される11月初めに行うというのはいかがでしょうか。昨年の逆現象転が可能かもしれません。そこで当院では例年通り11月、12月にインフルエンザワクチンを予定しております。ひねって考えると予防注射はせずに積極的にインフルエンザにかかるというのはいかがでしょうか。治療薬があるのですから。

追伸1)子供、若人たちに「遺伝子(を)組換え(る)」コロナワクチンの接種には反対します。
後々の影響が心配ですし、第一若者はコロナでまず死にません。

追伸2)ワクチンパスポートに気をつけましょう。
下手をすると国民同志に憎悪の感情を植えつけかねません。