「早起きは三文の徳」、「朝に礼拝、夕べに感謝」

寺岡内科医院 院長の元気塾202204私達は太陽のおかげで生命をいただいていることについて否定する方はないでしょう。宇宙から見た地球上の生命を大に小にながめてみましょう。

生命というのは細胞という単位がエネルギー代謝を続け、DNAやRNAを頼りに同じ特徴をもった子孫を増やして行く課程のことだといえます。そのエネルギーの大本は間違いなく太陽エネルギーであり、太陽なしでは瞬時たりとも生存できません。

宇宙が出来て46億年、生命の種が出現したのは8億年後で、生命誕生には奇跡的な条件が揃っていることが必要でした。まず太陽から休むことなく放射される激しいエネルギーの宇宙線(太陽風)、紫外線をさえぎるシェルターが必要でした。それは地球の磁力場、大気です。それに加えて地球の自転による24時間周期の明暗、温度を適当に保つ大量の水と大気の存在があってこその生命誕生でした。ですから全ての生命は水、適温と24時間という周期に縛られ続けることになったのです。

私達人間は、形は違え他の動物と同じで、朝に起きて仕事に就き、日中に働いて獲物(=賃金)を得、夜になると洞窟(=家庭)に戻り、分け前の夕飯を食べ、夜には床について身体を休めるというサイクルを続けています。こんなサイクルの背景を担うのは自律神経である交感神経、副交感神経であることはどなたもご存知です。日中は交感神経の支配下に、体温、気力、知的能力、心肺機能の上昇(血圧、脈拍、心拍出の増加)、筋力の増加があり、仕事がはかどります。夕方は副交感神経支配に置き換わり、身体を休める時間帯になってきます。精神活動は鎮静化し体温は下がり、心肺機能は抑制されるかわりに消化能力、免疫機能が上がります。こんなふうに身体を維持補修する機能を担うのが副交感神経で、夜の雰囲気の主役だとわかります。このサイクルがうまく回れば身体は順調だということです。

昔、バブルの頃に「24時間働けますか?リポビタンD(?)!」というコマーシャルがありましたが、これでは「年中交感神経で行きましょう。」といってるようなもので、いずれつぶれてしまうのは明白です。

植物でさえ光合成という生命活動のために夜明けには準備にかかります。オジギソウを見れば彼らの意思を目で見ることが出来ます。夜明けとともに葉を広げ最大限のエネルギーを獲得し、夜は熱と水蒸気の放散を最小限にしようとしているのです。つまり地球の自転に合わせて生きているということです。これが地球上生物の約束事なのです。

一日の始まりを告げる合図はといえば間違いなく朝日です。動物では眼から入った朝の光(特に青色)が視交差上核というところに働き、24時間サイクルのリセットを行ない、その日の自律神経、内分泌系、免疫系の活動予定を決定しているらしいのです。人間では、これに加え朝の食事も覚醒スイッチをONにする重要な働きをすることがわかっています。腸と脳はつながっているのです。

小学生で朝食を抜くと成績が上がらないということがいわれています。「早起きは三文の徳」は本当のようです。動物実験で視交差上核が狂ったマウスで作ると、肥満、糖尿病、高血圧、癌、骨粗そう症、うつ状態が多くなるという実験結果もありますので、人間でもありそうな話だとは思われませんでしょうか。

植物や人間以外の動物が生きていることに感謝しているかどうかは知りませんが、「生命を安堵された喜び」を感謝というなら、全ての生き物は大日如来様に向って感謝しているはずです。「朝に礼拝、夕べに感謝」ということでしょう。

太陽風はいつもゆらぎを持っています。大気の上層部はそのエネルギーを受けて電気を帯びていますが、この電離層の電気的ゆらぎが地球の脳波といわれるくらい人の脳波にそっくりで、この一例を見ても人間は見えないところでも太陽活動の影響を受けているということが容易に想像されます。それは全ての生物についてもいえることでしょう。全ての生命体は地球上での天体現象を等しく共有しているからです。