いまこそ、秋、初冬の風情に浸りませんか

寺岡内科医院 寺岡院長202112今年コロナによって大ブレークしたのは「パルスオキシメーター」ではないでしょうか。まさか医学的に専門性のあるパルスオキシメーターが血圧計なみにあちこちのご家庭にあるといった未来は想像しませんでした。

今回はパルスオキシメーター(=血中酸素濃度計)のお話です。皆さんが見ておられるのは分厚い洗濯ばさみのような形で、指を突っ込んで「96~98%だったらひとまず安心」というものだろうと思います。この「96~98%」は何を示しているのでしょうか。出来るだけ簡単に説明しますと、「血液中の酸素を運ぶ赤い色素(=ヘモグロビン)の何%が働いているか?(=酸素飽和度)」ということです。50%ですと酸素を運ぶ量は50%に下がっているというわけです。

全身の細胞が何とか生きてゆくためには90%は必要です。長時間90%を切ると細胞はエネルギーを燃やせず命の危険にさらされることになります。血液に酸素を与えるのは肺の役割ですから肺の状態がよく分ります。たとえば肺炎ですと呼吸が苦しいのに合わせてこの数字が下がり、低いほど重症ということになります。

しかし今回のコロナ肺炎では、かなり様子が違っていて、あまり息苦しくなくても90%を切ることはしばしばでした。こんな事情で、PCR陽性でも入院できなかった待機中の人たちに、国からパルスオキシメーターが支給されたのは大変妥当な施策でした。私のところでも「コロナ対応診療所」として遠方からも電話相談を受けていましたので、この数字を聴かせてもらうだけで重症度が想像でき、それを根拠に入院依頼をおこなったということもありました。

逆に99%以上ということもあるのですが、これは息をしすぎている状態を表します。よくあるのが女性に多い過換気症候群という異常です。さっきまで元気だった女性が「息苦しい!」と深呼吸をくり返し「手足が硬直する」「頭がボーッとする」「震える」のでしたら大抵は過換気症候群です。これは息のし過ぎで血液がアルカリ性になってしまい、カルシウムイオンがおかしくなってしまってこんな症状が起こるのです。命に別状は無いのですが、周りはほっとけないので救急車を呼ぶ大騒ぎになってしまいます。しかしこれだけパルスオキシメーターが普及しますと若い女性の多い職場ではお役に立つかもしれません。

ついでながら使用法の注意点をお知らせしますと、指の上下の向きはどちらでも構いません。指を温めてから使うこと、マニキュアはしないこと、振動させないこと、装着して1分は待つことなどがあります。今でこそネットでも簡単に買うことが可能で数千円から1万円で流通しているようですが、あまり安いものでない限り素人が使うにはこれで充分です。

さて11月に再燃が心配されていたコロナの第6波です。外国では感染再爆発の噂、オミクロン株の話が持ち上がっていますが、幸い日本では平静で自由な生活を謳歌しておられるようです。全国的に感染がほぼ無くなったのですから、集団的に免疫が出来たとみるのが普通ではないでしょうか。ただし感染が拡大した諸外国でも死亡率は減っているようなので、もし日本でも第6波が起こっても死亡率はもっと減るだろうと思います。最初のころの恐怖のイメージはそろそろ無くしていってもよいのではないかと思うのですが…。

そこで繰り返しますが、若い人たちはコロナで亡くなることはほぼ0で、しかもこの情勢下では移される可能性もほとんどありません。卵巣や精巣に蓄積し遺伝子を改変する可能性が拭えない今の「実験中(ファイザーがそういっています。)のワクチン」接種には反対です。12歳以下の子供にも実施するなど持っての他です。それにワクチン自体がもう古くなって(2年前)いるかも知れないのですから。

紅葉も終盤を迎え美しい晩秋~初冬の景色がどこまでも広がっています。秋はやはりもみじ狩り。この華やかで少しもの悲しさを帯びた秋の情景が一番好きです。ここ大阪は京都、滋賀、奈良、箕面といった名だたる観光地に近く、1時間もあれば最高の景色、最高のお料理にめぐり合えます。夕暮れて熱燗でいただく京料理は筆舌に尽くしがたい美味しさですね。