日本のコロナ対応は最高!何で一人負け?

寺岡内科医院 院長の元気塾202207第7波騒ぎがとまりません。東京都に続き大阪府でもコロナが疑わしい方は、薬局で予約した検査キットで自己判定を行い、(+)と出たら医者に行くようにという方針が出されました。この流れは全国に広がるだろうと思います。

こうなると心配されるのは(+)となった人たちの行動です。「えらいこっちゃ。」とばかり医療機関に殺到するかも知れませんし、「いろいろ面倒やから黙っとこ。」という人が増えるかも知れないのです。これまでにもあちこちのPCRセンターで、若者が長い行列を作っていました。ここの建前の「無症状の人が対象」というのが曲者で、診察も届け出る義務もないのですから(+)と判定されても多くの人は黙っていたそうです。行列の人はきっと濃厚接触者です。

このようにPCR検査で疑わしい人を封じ込めるという戦略は土台無理な話です。社会生活がある限りゼロコロナはありえないのです。すでに保因者は世の中にあふれていると想像できます。でもそれは悪いことばかりではないと思うのです。コロナが軽症化している現在では、多くの人が感染し集団免疫の達成が早くなる事の方がメリットかもしれません。

こんな状況ですから、国も無症状感染者の存在を否定出来なくなります。最近では尾身会長も個人的見解とことわりながら「全数把握は不可能で、重症者だけを対象とする医療体制が必要。」と従来とは真逆の発言が飛び出したというのも無理からぬところです…。とすれば新型コロナは個別管理の感染症2類ではなく、インフルエンザ並みの5類で対応するのが妥当と思うのですが…。そうすれば無駄な恐怖心も消え騒ぎも収まるというものです。

感染症の恐ろしさはどれだけ生命を脅かすかによります。幸いなことに第1波~第7波の重症率を見ますと次第に減少していることが明らかです。死亡率の一番高い80歳以上の高齢者で見ても、第1波ではPCR陽性者の5人に1人が亡くなっていましたが、第7波では20人に1人という所にまで減っています。60歳以下に至っては5000人に1人です。

毎年インフルエンザに2000万人がかかり12000人は亡くなるといわれています。 新型コロナ発生以来2年半がたちますが、この間インフルエンザ死亡は皆無でした。
2年半でのコロナ死亡は38000人くらいですから、すこしコロナのほうが死者は多いといえますが格段に多いとも思えません。2類のまま特別扱いするのはおかしいのです。
いま第7波で大騒ぎですが、こんな大きな波は世界中で日本だけで一人負けの状態です。

これまでに我々は徹底してアルコール消毒、マスク、ソーシャルディスタンス、行動制限を守って来ました。その上にワクチン接種率は83.5%と世界最高水準を誇っています。それで一人負けの有様です。

なぜマスコミはこのことをいわないのでしょうか。第8波に備えてもっと対策強化せよという声もありますが、これ以上は無理です。一人負けの現状の今、これまでやってきたことを冷静に評価すべき時です。先進国でマスクとPCR検査をしている国はもう日本だけです。おりしも岸田首相がコロナにかかりました。4回目のワクチンを受けたことをアピールした直後のことです。ワクチンは効くのでしょうか?

PCR検査のこと、ワクチンのこと、マスクのこともぜひご自分で考え行動してください。